「この内定先に決めて、本当に後悔しないだろうか」
スマホの画面を見つめながら、そんな不安で胸が押しつぶされそうになっていませんか。
贅沢な悩みだと周りに言われても、自分の人生がかかっているのだから、内定承諾に迷うのは当然です。内定3社を持ちながら6月まで就活を続け、最後は納得して1社に決めた私が、後悔しない選び方と不安の消し方をお伝えします。
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内定が出たのに、なぜか眠れない。「内定ブルー」という底なし沼
就活を始めたばかりの頃は、「とにかくどこでもいいから内定がほしい」と必死だったはずです。
しかし、いざ内定通知書を目の前にすると、嬉しさよりも大きな「不安」が襲ってくる。
「本当にこの会社で一生働けるのだろうか」
「もっと他にもいい会社があるんじゃないか」
「周りの同級生が大手企業や有名企業に行く中で、自分の選択は正しいのか」
私自身、偏差値50未満の大学から泥臭く就活を続け、早い段階で最初の内定をもらうことができました。その時の詳しいプロセスは、こちらの記事 Fラン大学から内定10社|大手に入るまでにやったこと全記録 にまとめていますが、内定が出た瞬間、心から救われたような気持ちになったのを覚えています。
しかし、その安堵感は数日しか持ちませんでした。
「本当に、ここで私の人生を決めてしまっていいのか?」
贅沢な悩みだということは分かっていました。大学の同期の多くは、まだ選考すら始まっていない時期です。親やキャリアセンターに相談すれば、「早く決まってよかったじゃないか、早く承諾しなさい」と言われるだけ。
誰にも言えない不安を抱えたまま、私は内定承諾の返答期限を引き延ばし、気づけばスマホで「内定先 不安 新卒」「内定 承諾 迷う」と検索し続ける日々を送っていました。
私が持っていた「内定3社」のスペックと、どうしても拭えなかった迷い
当時、私が手元に持っていた内定は、実質的に以下の3社でした。どれも個性的で、それぞれに異なる魅力があったのです。
- 1社目:東京勤務確約の企業
地方の大学に通っていた私にとって、「東京で働く」というのは強い憧れでした。都会の洗練されたオフィスで働く自分を想像すると、それだけでコンプレックスが解消されるような気がしていました。 - 2社目:福利厚生が抜群に整っている企業
家賃補助が手厚く、残業も少ない。年間休日も120日以上あり、いわゆる「ホワイト企業」の条件を完璧に満たしている会社でした。長く安定して働くなら、ここ以上の選択肢はないと思える場所です。 - 3社目:自分の就活軸(ビジョン)と完全に一致している企業
説明会で話を聞いた瞬間に「ここだ」と直感した会社です。自分のやりたいことや、これまでのコンプレックスを強みに変えられる環境が整っていると感じられました。ただし、1社目や2社目に比べると、勤務地や待遇面での妥協が必要でした。
客観的に見れば、十分に恵まれた選択肢です。どれを選んでも、それなりの正解ルートが待っているように見えました。
それでも私は決められなかった。
「東京勤務は魅力的だけど、仕事内容が本当にやりたいことなのか?」
「福利厚生が良くても、退屈な仕事に耐えられるだろうか?」
「軸が一致していても、給料が少なくて生活に困ったらどうしよう?」
あちらを立てればこちらが立たず。1つのメリットを選ぶことは、他の2つのメリットを捨てることを意味していました。この「選ぶ恐怖」から逃れたくて、私は手元に内定をキープしたまま、4月、5月、そして6月まで就活を続けるという決断をしました。
周りに馬鹿にされながらも、6月まで就活を継続した理由
「お前、もう内定あるのになんでまだやってるの?」
「いい加減、どこかに決めて遊びなよ。大学生最後の夏だよ?」
就活を続ける私に対して、周囲の友人は呆れたような声をかけてきました。中には「贅沢な悩みを自慢している」と受け取る人もいて、少しずつ周囲との距離が開いていくのを感じました。
精神的にもかなりきつかったです。
周りがサークルや旅行で楽しそうにしている中、一人だけスーツを着て、締め切り間近のES(エントリーシート)を書き続ける。SNSを開けば、同世代が「〇〇業界大手から内定いただきました!」と華やかな報告をしていて、それを見るたびに自分の現在地と比較して心がすり減っていきました。
当時の病みかけたメンタルの回復法については、以下の記事 就活垢の内定報告がつらかった|比較で病んだ私がやった回復法 でも書いていますが、本当に「このまま続けて何の意味があるのだろう」と何度も自問自答しました。
それでも就活を辞めなかったのは、「行けたらいいな」と思っている憧れの企業(第一志望群)に挑戦しないまま終わったら、一生その会社の後ろ髪を引かれながら生きることになると分かっていたからです。
社会人になってから「あのとき、もし受けていたらどうなっていたんだろう」とタラレバを繰り返す人生だけは、絶対に嫌でした。
「行けたらいいな企業」は全落ち。そこから見えた冷酷な現実
しかし、現実は甘くありませんでした。
6月にかけて、私はそれまで手の届かなかったような業界大手や、憧れの企業に何社かエントリーし、選考に臨みました。
結果は、すべてお祈りメール(全落ち)でした。
それまでの早期選考で順調に内定をもらっていた私のプライドは、粉々に打ち砕かれました。「自分はそこそこ通用するんじゃないか」という勘違いは、本選考の厳しい荒波にかき消されたのです。
なぜ落ちたのか。今振り返れば、理由は痛いほどよく分かります。
私の中に、「すでに手元に内定がある」という甘えと、覚悟のなさがあったからです。
面接官は、毎日何百人もの学生を相手にしているプロです。
「本当にこの会社でなければならない」という強い執念を持って、背水の陣で挑んでくる学生たちの中に、私のように「行けたらいいな」「手元の内定より良かったらいいな」というスタンスで混ざっている人間がいれば、その熱量の差は一瞬で見抜かれます。
志望動機の薄さ、言葉の端々ににじみ出る「妥協の余地」。それらがすべてお祈りという結果になって返ってきました。
しかし、この「全落ち」を経験したことで、私の心の中の霧は一気に晴れました。
やり切った。自分の実力では、これらの企業には届かなかった。
その事実を正面から受け入れたとき、不思議と悔しさよりも「すっきりとした納得感」が勝ったのです。自分ができる限界まで打席に立ち続けたからこそ、「もうこれ以上、上を望んで未練を残す必要はない」と心から思えました。
泥泥の中、最後を支えてくれた友人との「就活物語最終回」
全落ちの結果を受け取り、いよいよ手元の内定先から1社を選ばなければならない。そう覚悟を決めた5月の終わり、私の心と身体はボロボロになっていました。
「まだ就活やってるの?」と周囲に冷笑される中、たった一人だけ、私の泥臭い挑戦を笑わずに応援し続けてくれた友人がいました。
その友人は、夜遅くのファミリーレストランで、私のグチャグチャなESを何度も一緒に見直して、赤ペンを入れてくれました。自分自身の就活も大変なはずなのに、私の不安や弱音を受け止めて、最後まで伴走してくれたのです。
この時の友情と、そこから這い上がった私の全記録は、こちらの記事 就活物語を振り返ってみた【地方大学から大手を目指した1年間の記録】 でリアルに描いています。
他人に自分の不格好な部分を見せるのは、ものすごく勇気がいります。けれど、一人で抱え込まず、誰かに頼ることでしか見えてこない景色がありました。
友人の手助けのおかげで、私は最後の最後まで妥協せずに自分の考えを言語化し、納得のいく状態で就活の幕を閉じることができたのです。
最終的に私が選んだのは、早期選考の段階で内定をもらっていた企業でした。東京勤務や完璧な福利厚生といった条件面だけで選んだわけではありません。全落ちも経験した上で、自分の頭と足で悩み抜いて出した結論だったので、そこに未練はありません。自分で選び、自分で決めたという圧倒的な当事者意識があったからです。
内定承諾に迷うあなたへ。後悔しない1社を選ぶための3つの基準
もし今、あなたが手元の内定先に不安を抱え、承諾ボタンを押せずにいるなら、以下の3つのアプローチを試してみてください。
1. 「やりきった」と思えるまで、あと1社だけ受けてみる
もしあなたの心の中に「あの会社、受けておけばよかったな」という未練があるなら、今からでも遅くありません。説明会だけでもいい、ESを出すだけでもいいので、行動を起こしてください。
結果が合格であれ不合格であれ、「行動した」という事実が、あなたの未練をきれいに消し去ってくれます。妥協で決めるのと、納得して選ぶのとの違いは、ここにあります。
2. 「これだけは譲れない」という、たった1つの軸を決定する
東京勤務、高い給料、良好な人間関係、残業の少なさ、仕事のやりがい。
すべての条件が100点満点の企業は存在しません。仮に存在したとしても、そこに入れるのは一握りの天才だけです。
あなたにとって、人生の優先順位の第1位は何ですか?
「お金はそこそこでいいから、プライベートの時間が絶対にほしい」のか、「きつくてもいいから、20代で圧倒的なスキルを身につけたい」のか。
その1点さえ満たしていれば、他の条件が50点であっても、その会社はあなたにとって「正解」になります。
3. 不安の正体を「客観的な生の声」で暴く
内定先の何がそんなに不安なのでしょうか。
「ブラック企業かもしれない」「入社後にひどいギャップがあるかもしれない」
そうした不安の9割は、「実態が分からないこと(情報不足)」から生まれています。
会社のホームページや人事担当者の言葉は、美化された表向きの顔にすぎません。本当の姿を知るためには、実際にそこで働いている(働いていた)人の「生のデータ」に触れる必要があります。
私が企業のリアルな実態を確認するために使っていたのが、就活口コミサイトの「就活会議」です。
ここでは、実際に選考を経験した学生のレポートだけでなく、その会社で働く現役社員や元社員による「残業の本当の実態」「年収の推移」「社風のリアルなギャップ」が容赦なく暴露されています。
「福利厚生が良いと聞いたけれど、有給は本当に取れるのか?」
「パワハラのような風土はないか?」
こうした疑問を、ただ一人で悩んで妄想を膨らませるのではなく、口コミサイトの具体的なデータとして確認してみてください。
「この残業時間なら、自分の許容範囲内だ」
「このデメリットがあるけれど、このメリットが大きいから納得できる」
そうやって不安の正体を数字化し、言語化していくことで、承諾ボタンを押すための「本当の覚悟」が決まります。
入社後のミスマッチを未然に防ぎ、自分の選択に自信を持つためにも、まずは一度、気になる内定先のリアルな声を覗いてみることを強くおすすめします。
最後に:どんな選択をしても、それを正解にするのはこれからの自分
どんなに悩んで決めた会社であっても、入社後に壁にぶつかることは必ずあります。
「やっぱりあっちの会社にしておけばよかった」と思う瞬間が、一度や二度は訪れるでしょう。
けれど、これだけは覚えておいてください。
「どの選択が正しいか」なんて、選ぶ時点では誰にも分かりません。大切なのは、選んだ後に「この選択をして良かった」と思えるように、その場所で必死に泥臭く努力することです。
あなたが悩み抜いて、苦しんで、自分の足で歩き回って決めた1社であれば、その選択は間違いなく尊いものです。
自分の人生の舵取りを、誰かや、ただの「なんとなく」に任せないでください。
あなたが納得のいく決断を下し、胸を張って新しいスタートラインに立てることを、心から応援しています。


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